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会計・税金(2015年04月8日)
経営者にも退職金!小規模企業共済
会社設立を完了し、事業を運営が軌道にのってくると「将来もしなにかあったときや、老後に備えてなにかできることはないかな。」と考え始める経営者の方々も多いです。
そんな方々におススメしているのが「小規模企業共済」です。この制度は、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が提供しています。毎月掛け金を設定し、定期的に積み立てることで退職したり事業を廃止した場合などに解約し、それまでの積み立ての掛金に応じた共済金を受け取ることができるのです。
今回は、小規模企業共済の概要をご紹介します!
◎小規模企業共済の仕組みって?
まずは基本的な支払いと受け取りの仕組みです。
1.毎月掛け金を支払います
毎月、掛金を支払います。掛金は、1,000円~70,000円までの範囲内(500円単位)で、自由に選択することが可能で無理のない範囲で積み立てることができます。(上限:年間84万円)
基本的には掛金を増額・減額することも可能です。また、掛金を前払いすることもできます。
もし、掛金を納めることが難しい場合には、掛金の支払いを停止することも可能です。
2.廃業時・退職時に共済金を受け取ります。
廃業時・退職時に、共済金を受け取ることができます。受け取り方法は、一括・分割・併用のいずれかを選択できます。
◎『小規模企業共済』をおススメする3つの理由
小規模企業共済がおススメする3つの理由をご説明します。
1.節税効果:掛金は全額経費
最大のメリットは、小規模企業共済の掛け金が全額が経費となることです。節税対策もでき、貯蓄もできる!多くの経営者が活用している理由はここにあります。
2.税負担が軽減!
とはいうものの、解約時には税金を支払う必要があります。ただし、この税金の区分が、「退職所得」としてみなされるため、「事業所得」となるよりも大幅に税負担の軽減が可能になります。
式で各所得の算出方法を表すと以下になります。
「退職所得」:所得=(退職金-控除額)×1/2
「事業所得」:所得=収益-費用
退職所得だと、「控除額」や「×1/2」が適用されるので、課税対象となる所得が大幅に小さくなり、税負担が軽くなるのです。
3.いざという時の貸付制度
契約者の方は、納付した掛金合計額の範囲内で、事業資金等の貸し付けが受けられます。(無担保・無保証)
金利も銀行ローン等に比べるとかなり低いので、いざという時の活用もぜひご検討ください。
◎ここは要注意!『小規模企業共済』
一番気をつけないといけない事項、それは「掛金納付月数」です。
なんと、240月(20年)以上納付しないと、元本割れしてしまうのです。
また、加入する共済金の種類にもよりますが、納付月数が12月未満だと掛け捨てになってしまいます。
20年以上継続して支払い続けることができるか、それが加入検討の最大のポイントになります。
その掛金区分の掛金納付月数 支給割合 12月以上 84月未満 80.00% 84月以上 90月未満 80.50% 90月以上 96月未満 81.25% (以下6ヶ月ごとに0.75ポイントずつ割合が増加) 240月以上 246月未満 100.00% 246月以上 252月未満 100.25% 252月以上 258月未満 100.50% (以下6ヶ月ごとに0.25ポイントずつ割合が増加) 468月以上 474月未満 109.50% 474月以上 480月未満 109.75% 480月以上 ◎加入の条件
小規模企業共済の概要をご紹介してきました。「加入しようかな」と思われる方は、念のため加入の資格をご確認ください。基本的には、「常時使用する従業員が20人以下の個人事業主および会社の役員」が該当します。これ以外にもいくつか定義があるので、リンク先をチェックしてみてください!
また、加入にあたってのご相談事やシミュレーションについても横浜会社設立ステーションで承っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください!
【ご参考】